自らの「声」、その個性を最大限に引き出す
唯一無二の自分だけの楽器一人ひとりの声の特性を見つけ育てます
声楽における「声」は、その人しか持つことのできない唯一無二の楽器。声の個性=音色を知ることは、自己の楽器を知ることです。レッスンでは、歌唱の基礎である正しい呼吸法や自然な発声を習得しながら、一人ひとりの声の特性を見つけ育てます。言葉を伴う唯一の演奏表現である「歌」。詩(ことば)と音楽との関わりや楽曲を分析しながら歌唱力を伸ばしていきます。秋の定期演奏会や学内演奏会など舞台の経験も多く、さらに、関連授業を通して広く多彩な教養を身につけ、感性を磨き、感覚を鍛え、人間性を高めることで人に感動を与え得る演奏を目指します。
「身体」そのものが楽器となる声楽では、声帯や骨格の違いなど個人の身体的な特徴を踏まえた指導が不可欠です。年間24回(週50分)の個人レッスンと年間6回(1回90分)のグループレッスンでは、第一線で活躍する教員が、それぞれの身体に合った発声法?歌唱法を、基礎から丁寧に指導します。一人ひとりに合ったレッスンやサポートを計画的に行い、個性を伸ばしていきます。
混声、女声、男声の基本発声を学び、ハーモニー感覚を養う「合唱」の授業(1?2年次必修)。基本的な歌唱法を習得しながら毎年秋の定期演奏会を目標とし、合唱の喜びを体感します。「声楽アンサンブル」では、オペラの重唱曲を取り上げ、演技の動作、発声、姿勢を考えながらアンサンブルの楽しさを味わいます。アンサンブル科目が充実していることも、声楽専門の特長の一つ。基礎と実践指導を通じて、合唱指導者としての資質も身につけます。
自分にしかない「声」。そこには、自分自身の感性や人間性も表れます。そのため声楽専門では、関連科目を通じて豊かな教養を身につけることも大切に考えています。例えば、ヨーロッパの代表的な作家を取り上げ、歴史や文学についての知識を養う「文学」、さまざまな芸術作品を考察し、初歩的な実習も行う「美学」、ウェバーやジルバーマンなどの音楽社会学も学ぶ「社会学」、そして声楽とは切っても切れない「語学」。さまざまな分野の学問に触れて知性と感性を磨き、人間性豊かな声楽家を目指します。
オペラの演技付きの重唱曲を中心に、合唱曲、重唱曲などを学ぶ授業です。オペラの歴史、オペラならではの姿勢と発声法や演技の基礎、基本動作や動き方などのオペラの基礎をはじめ、演技付きの実践練習や演技をともなう重唱曲の総合練習など、多くの実技演習を通じて演技付きの重唱曲の魅力を体感します。また、個々の作曲家や作品の特質に触れながら、その体系的な流れを学んでいきます。
前半は日本歌曲、後半はドイツリートを中心に学びます。日本歌曲は、その始まりから継承、発展の流れをさまざまな楽曲を通じて学んでいきます。日本語が持つ語感の美しさに触れ、繊細な感性と感覚を磨き、自然で美しい歌唱表現の習得を目指します。一方のドイツリートでは、詩と音楽の密接な関わりや演奏解釈などに対する理解を深めます。
1年次生は全専門必修、2年次生は選択(声楽専門は必修)による合同授業です。前期は姿勢や呼吸法、発声法などの基本的な歌唱法を習得。また、毎年秋に開催される演奏会に向け、さまざまな合唱形式や表現方法を学び、和声感?調性感も高めていきます。後期は邦人の合唱曲も取り入れ、日本の伝統的歌唱を学びます。これらの演奏を通じて、アンサンブル感覚、ハーモニー感覚を養い、繊細な感性?感覚を育んでいきます。
個人レッスンにて歌唱の基本である正しい姿勢と、腹式呼吸による自然で美しい発声法を習得。自分固有の楽器である「声」を研究することは、自分の個性と音楽性を知ることにつながります。「声」=「音色」の特性を十分に生かせる発声法と歌唱表現を習得し、充実した音楽性を身につけます。また、ディクション(詩?韻律)と音楽(旋律)との深い関わりを学び、独自の歌唱表現を探究します。